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アンピシリンの作用秩序とは

アンピシリンはペニシリン系の抗生物質で、βラクタム系抗菌薬に分類されます。
ペニシリンは多くの細菌に対して効果を発揮しますが、作用秩序は真正細菌の細胞壁を作っているペプチドグリカンを合成する酵素と結合することで細菌の活性を阻害することです。
ペプチドグリカンを作れなくなった細菌は、細胞分裂することは可能ですがその細胞壁はどんどん薄くなりやがて死滅してしまいます。

ペプチドグリカンを合成する酵素にはいくつかの種類があり、アンピシリンを含むβラクタム系抗菌薬の作用秩序は、ペニシリン結合タンパクと呼ばれる酵素と結合することです。
これによりペニシリン結合タンパクは本来の働きである細胞壁の合成ができなくなり、結果として細菌が死滅することとなります。

ではなぜ人に対してアンピシリンなどのβラクタム系抗菌薬は影響を与えないかという事ですが、人の細胞には細胞壁というものがありません。
そのためにアンピシリンは細菌を選んで作用することが可能となります。
ただし細菌の中には人と同様に細胞壁をもたない細菌がいます。
それがマイコプラズマです。そのためにβラクタム系抗菌薬はマイコプラズマには効きません。
他にも細胞壁にペプチドグリカンを持たない菌には無効となります。

アンピシリンは主に尿路感染症・中耳炎・感染性の肺炎・サルモネラ・リステリア髄膜炎といった治療に使用されます。
他のβラクタム系抗菌薬と同様に投与した後の血中濃度半減期が短いのが特徴で、約1時間で血中濃度が半減となってしまいます。
そのために何回か投与する必要があるとされており、だいたい6時間間隔で1~2gといった量を複数回投与することとなるでしょう。

アンピシリンは尿と一緒に排出されます。
腎臓機能に問題がある場合、排出が遅くなってアンピシリンの血中濃度が上がってしまうことがあるのですが、そういった場合は1回に投与する量を減らすか投与の間隔をあけるといった工夫が必要です。

アンピシリンの効果が思ったように出ない場合には、他のペニシリン系抗生物質を使うこともあります。

その他のペニシリン系抗生物質の種類とは

世界初である抗生物質ペニシリンはその系列である抗生物質の歴史も長くなり、現在ではおよそ5種類のグループに分かれています。
第1グループはベンジルペニシリンと呼ばれるもので、現在でも連鎖球菌や肺炎球菌・髄膜炎菌の治療に使われています。
第2グループはメチシリンですが、現在では販売中止となっており処方されることはありません。

第3グループ以降は今でも処方されることが多い抗生物質となります。
第3グループは開発当初たくさんの種類の細菌に有効で広域ペニシリンに分類されていましたが、緑膿菌には初めから効き目がないことがわかっており、現在ではインフルエンザ菌などのグラム陰性菌の一部に有効です。

第4グループは多くの抗生物質に耐性を示す緑膿菌にも効果がある抗生物質グループとなります。
緑膿菌は普段から身近にある菌です。
健康な人には何の問題もない菌ですが、病気で抵抗力が落ちている場合や高齢者などには感染するリスクが高い菌と言われています。

近年、抗生物質に対して耐性を持つ菌が急激に増えている現状があります。
ペニシリン系抗生物質の最も大切な構造であるβラクタム環を壊してしまう酵素を持つ細菌も増えており、そういった菌にはペニシリン系抗生物質が効きにくいです。

そこでβラクタム環を壊す酵素の働きを阻害するβラクタマーゼ阻害薬を、ペニシリン系抗生物質と一緒に配合することで耐性菌に対する抗生物質の作用を高めることとなりました。
これが第5グループと呼ばれるものです。

この第5グループで使用されている抗生物質は、第3グループや第4グループに分類される広域ペニシリンです。
第3グループに属するアンピシリンとβラクタマーゼ阻害剤を組み合わせた薬剤もあり、耐性が強い細菌の死滅に貢献しています。